地域経済の持続的発展のためには社会課題の解決が不可欠。その両方を視野に入れたプロジェクトが着々と進行中!
世田谷区の地域経済内において、SDGsの認知度や社会課題への関心が高まる中、ソーシャルビジネス事業者を応援する補助事業やプラットフォーム事業(SETAGAYA PORT※)などを開始。事業者を応援する仕組みをつくるだけでなく、その仕組み同士の連携を深めることで、地域の活性化と、持続可能な社会の実現に近づけようという取組みです。
※)SETAGAYA PORT:社会や地域・ビジネスの課題を出発点に、多様なステークホルダー(企業、大学、スタートアップ、プロボノ等)が共創し、さまざまな“世田谷発のアイデア”をカタチにしていくことを目指したプラットフォーム。https://setagayaport.jp/
区内の若い事業者にも情報が届き一緒に活動していけるような仕組みを構築。
- 主任
- 今の産業創造プラットフォーム「SETAGAYA PORT」はコロナ禍の最中に始まりましたよね。
- 係長
- 実は今の形になる前は特に創業に力を入れていました。学生の時から創業に興味を持ってもらえたらということで、区内の大学と一緒にイベントをしたりしていたんですが、コロナ禍になってイベントが難しくなったのと、20~40代の事業者などとの接点もなかったので、当時の担当が一新しました。
- 主任
- それで、今みたいなオンラインやSNSも活用した取組みに発展したんですね。
- 係長
- 事業者さんやプロボノの方、区民で産業に興味を持っている方同士、繋がれる取組みにしたかったのと、あとは、若い事業者と私たちがつながるのが難しいと感じていたので。
- 主任
- 商店街や工業団体などの以前から区内産業を担ってらっしゃる方々とは繋がりがあったものの、それ以外の小規模事業者や個人事業主、プロボノの方などの産業に興味を持っている方と繋がる機会や接点がありませんでした。
- 係長
- それに、そもそも若い人たちは行政の情報へのリーチが少ないので、繋がりをつくるために試行錯誤して、区内の若い事業者にも情報が届き一緒に活動していけるような仕組みを構築したのが3年前でした。
- 主任
- 2年前から担当していますが、はじめは、プラットフォームへの登録者は多かったんですが、取組みの認知度はそこまで高くなく、イベントの内容によっては参加者が集まらずに冷や汗をかいたこともありました。
- 係長
- でも、運営事業者と一緒に地道に続けていくことで、今では登録者が5000以上になり、イベントや取組みへの参加者も増えました。
- 主任
- 登録者同士をつなぐ交流会を実施していますが、今では毎回定員を上回る参加状況です。それで、この交流会から、今度こういうことをやりたいという意見や提案が出てくるようになったのは嬉しいことです。
- 係長
- 区民向けのイベントやワークショップに発展したり、事業者さん同士が共同でプロジェクトを立ち上げたケースもあります。でもこれでゴールではなくて、これからもトライアル的なことや、より事業者同士が共創し、地域・社会課題解決を推進する取組みをやっていきたいです。
それぞれの事業が連携し影響しあって全体として目標に向かっていけるように。
- 主任
- プラットフォームでつながる事業者さんたちが「何かをやろう!」となった時にも使えるような補助金に育ってほしい思いもあり、立ち上げたのが「ソーシャルビジネス補助事業」なんですよね。
- 係長
- 事業者さんなどのビジネスの実現のための支援ができればと思います。
- 主任
- 4月から事業の組み立てが始まりましたが、募集要項などは別の補助金事業のものを参考にさせてもらったり、部署内でも補助金業務の経験がある職員に聞けたので安心でした。
- 係長
- 始まったばかりのため、事業実績を踏まえ、また方向性を考えていきたいですね。
- 主任
- はい。今回はSETAGAYA PORTの登録メンバーの方にもSNSでお知らせしたので、そちらからの応募も来ています。両方の事業で情報を共有して、全体としてソーシャルビジネスの支援と地域経済の活性化という目的に向かえたらいいですね。
- 主任
- SETAGAYA PORTは、いくつかのSNSを使って広報や周知をしているので、これまでの区のオフラインのインフラよりも伝わっているのではと思います。
- 主任
- そうですね。最近、区内の事業者向けのメールマガジンも始めました。週に1〜2回配信して、補助金やセミナーなどの情報を流しています。登録者数は今4000件弱といったところで、今後増えていくことを期待しています。
仕事は多くても協力しあって出したアイデアを実行できる。だから新しいことにもチャレンジできる。
- 主任
- ソーシャルビジネス補助金の募集開始と、メールマガジンの事業開始とが重なって。私は時短勤務中なので、なかなか大変だったんですが、困った時は係長に相談すれば対応してくれるし、課のみんなも協力的なので、忙しい時も楽しく取り組めた印象です。
- 係長
- まずは、各担当が責任を持って職務を遂行する前提があってですが、助け合える土壌は大事ですね。
- 主任
- 去年は1年間、区の地域経済発展ビジョンを作成するチームにいたので、今年はそれを実行に移す初年度だなと理解していて。どんどん新しいことをやっていけたらなと思っています。
- 主任
- 部署の持つ特性かもしれないですが、自分としては、若手でも新しい提案を躊躇なくできるところが、やりがいになっている面もあります。
- 係長
- 配属される部署やその時の業務内容など様々な要因はありますが、我々の部署は様々な民間企業さんと関わる機会があるため、チームでアイデアが出しやすいかもしれないです。産業は区の様々な分野や所管課と連携することができるので、他の部署とも連携して、チャレンジ出来ればと思っています。