PROJECT 01

未就園児の
定期的な
預かり事業

すべての子ども・子育て世代を応援する国のモデル事業に職種を越えてチャレンジ。

在園児が定員に満たない保育所等の空きスペースや人員を活用し、保育所等を利用していない児童を週1〜2回定期的に預かる取り組みを、令和4年度から国のモデル事業として実施。子どもの発達促進と、保護者の育児不安軽減を図ると同時に、必要に応じて関係機関と連携して家庭支援をすることで、子育て支援の充実を図るものです。こども家庭庁が制度化に向けて議論を進めている「こども誰でも通園制度」につながる事業として、令和8年度から全国の自治体にも展開される予定です。

CROSS TALK

子育てのしやすさを期待されている区として
国のモデル事業に手挙げをし地域特性にあわせて展開。

保育士
最初にこのモデル事業への参画を聞いたのは、待機児童の問題が解消されて、私たちグループ保育室の保育士が、他の区立園に応援に行くことになっていた時でした。お声掛けいただくと同時に走り始める感じで、もうびっくりしたんですよ。
一般事務
他の保育所で始めたこの事業が好評で、予想外にたくさん応募をいただいたんです。このモデル事業は、かっちりとした枠組みではなく、自治体の状況に応じた自由度の高い形だったので、区民の方のニーズが多ければそれに応えなければと……
保育士
打ち合わせを短期間にたくさんして、すごいスピードで始まりましたよね。先にやっていた保育所を見せてもらったりしながら、この保育室で私たちにできることはなんだろうって考えて、他の園に手伝いに行っていた保育士を呼び戻して、本当にゼロからのスタート。
一般事務
私は事業初年度は、課内でも違う業務に携わっていたのですが、モデル事業が好評というのは聞いていて、ミーティングを重ねて調整をしている様子は見て知っていました。実施場所から職員配置まで、懸念材料を洗い出して追求して、開始まで持っていったのがすごいなと印象に残っています。
一般事務
実際に子どもを預かるのは現場の保育士さんなので、どういう体制だったら実現できそうか、かなり細かい調整が必要で。事業に協力してくださった保育士さんはみなさんベテランの方々だったので、本当にいろいろ助けていただきました。

コミュニケーションを密にすることでお互いの専門性を活かし切ることができた。

保育士
現場にちょくちょく来てくださって、わからないことを聞いてくれたり、提案してくれたり、熱量がすごかったので、こちらもがんばらなきゃという気になりました。
一般事務
確かに……。足繁く保育室に通いましたね。今もですけれど立ち上げの時は特に。
保育士
それこそ雨の日も風の日も。現場で子どもと触れ合って「現場ってこういう感じなんですね」って言っていただけて、理解してくれていると思いました。すり合わせは大変でしたが、そういう積み重ねで歩み寄れたんですよね。
一般事務
そう言っていただけると嬉しいです。何かで職員が足りない時には、私たちも現場に駆けつけて保育の補助ができるように、課の全員に協力してもらっているんです。
一般事務
担当させていただいてからまだ1年ですが、横のつながりの大切さをすごく感じています。それぞれ役割は違って、専門性も大事だけれど、そういう中で連携していくことがいかに大事かというのを、現場を通して実感できていると思います。
保育士
専門性を守りつつ共通認識を持つって大事ですよね。私も区の職員として保育士を長くやってきましたが、なんとなく区役所の中は遠い世界のように感じていました。でも今回のことで、お互い「ここはこうだよね」って伝え合うとこんなに早く話が進んでいくんだと経験させてもらってます。
一般事務
実は、私は区の職員になって最初の配属先が、リサイクル清掃課だったんです。そちらも事務部門と現場である清掃事務所とがあったので、そこで現場の人たちとのやりとりの大切さを学ばせてもらったのも大きいと思います。

区民の近くにいて、現場も知っている特別区職員だからこそできることがある。

一般事務
国の事業でしたが、現場により近い私たちが、現場を知った上での事業構築にしたいなというのは当初からあって。特に新規事業だったので、柔軟に区民の方や現場の声を取り入れて組み立てることができました。一緒に作り上げた感覚が大きいです。
一般事務
そうでしたよね。申し込みも最初は先着順だったのが、あまりにもたくさん応募があったのと、区民の方のご意見もあり、次は抽選にしたり。まさに区民の身近なところで声を聞いて反映していけるのが、特別区の仕事のいいところだと思います。
保育士
今回は若い方と一緒に事業に参画できて、やってみて調整してまた考えるということを勉強させてもらっています。やらなかったら何も始まらないんだなって。保育士同士でも、子どもにとって良い環境や保護者の方への配慮など、理想を描いて日々打ち合わせをしながら進めています。
一般事務
モデル事業の一環で行った保護者の方へのアンケートでも、よい声が集まっていたので、本当にほっとしました。こども家庭庁と一緒に行った保護者の方との座談会では、「自分の時間がつくれて助かっています」とか「子どもがこういうことをできるようになった」という前向きな意見を聞けて、子どもにとっても保護者にとっても良い結果になっているのではと感じます。
一般事務
他の市区町村からの反響もあって、問い合わせや視察だけでなく、メディアからの取材もいくつかありましたね。そのように全国から注目される取り組みに関わっていることが、嬉しくもあり、また身の引き締まる思いです。
保育士
保育という小さな世界に関わっているとずっと思っていましたけれど、時代とともに注目されて、地域に貢献できている実感も湧いてきました。いろいろな視察の方がいらっしゃるので、地域は違っても共通する、この取り組みのいいところを伝えていけたらと思っています。
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