東京都の総人口のおよそ70%、1,000万人近くが暮らす、特別区。
誰もが安全安心に暮らせるまちづくりや良質な都市空間の創出等を目指し、さまざまな事業に取り組んでいます。
技術職員は、その企画から、計画・設計、施工・監理、運営のすべてにおいて、職種を超えて協力しあい活躍しています。
特別区の技術職は、大きく分けて5つの専門分野において仕事を遂行しています。
大都市圏ならではのまちづくりと、地域特有の課題解決のために、各分野の高い専門性と、連携は欠かせません。
道路や橋、河川の整備・維持など都市基盤の形成に携わる仕事です。
多くの人の暮らしや命を守る、幅広い生活基盤の整備とも言えます。
地域住民や関係機関と連携して、まちのグランドデザインを描きます。
都市に欠かせない、公園や街路樹の維持管理はもちろん公園や児童遊園の新設・改修の計画立案と設計・管理なども行います。
地域住民と協力し、緑化普及や啓発イベント・講座を手がけることも。
公共施設における建築設備のなかで、機械関連に特化し、設計や施工、維持などを行っています。他職種や施工業者と協力しながら安全で利用しやすい施設をつくっていく、設備機械のプロフェッショナル。
暮らしに密着した基礎的な自治体としてのプロジェクトも、地域特性などによりその規模や工程、工法、必要な配慮は異なります。
特別区においては、どのように各職種が連携し、民間企業とも協力しながら進めているのでしょう。
インタビューとともにご紹介します。
区立麹町仮住宅新築工事(千代田区)
日本の中枢とも言えるエリアに、サステナブルな仮住宅を整備。
区営住宅・アパートの建替え工事期間中に、入居者の方々が一時移転する仮住宅の整備プロジェクトとして、平成29年12月から約3年間をかけて実施しました。立地は皇居や永田町からも至近のエリア。外観は周辺の風格ある景観に調和するデザインを目指すとともに、速やかに移転ができる整備手法を採り、仮住宅としての役目を終えた後、一部をほかの用途に転用できる設計としました。また、CO2削減に寄与する複層ガラスやLED照明、高効率給湯器などを採用し、高削減率を達成しています。
新左近川水門耐震対策工事(江戸川区)
高潮や津波から暮らしを守る、12年もの一大プロジェクト。
区西部を荒川と並行して流れる、中川下流に位置する水門の耐震対策工事のプロジェクトです。この水門は、区の最南端に位置しており、海にもっとも近い河川管理施設のため、たとえ工事中であっても高潮や地震・津波発生時には確実に閉鎖ができなければなりません。また、ほぼ毎日、船舶が水門を通航しているため、航路を確保しながらの工事が求められました。前例のない工法を複数採用しながら、東日本大震災の翌年、平成24年度から12年という歳月をかけ、令和5年度に完了しました。
清掃工場建替工事(東京二十三区清掃一部事務組合)
インフラの整備・維持は、基礎自治体の大切な使命。
人口の集中する特別区のごみ処理の規模や施設数は日本最大です。しかし、その清掃工場の多くが平成の初期に建設されたため、一般的に寿命といわれている25〜30年を迎える工場が今後ますます増えます。そのため、老朽化した清掃工場の建替えを順次行っていくプロジェクトが進行しています。本組合では、特別区内にある22施設の清掃工場の管理・運営を行っていますが、これらの工場を適切かつ計画的に更新することにより、特別区内の重要なインフラであるごみ焼却体制をしっかりと保持しています。